腰痛のナゼとなぞ

坐骨神経痛の原因の一つ
腰椎椎間板ヘルニア
整形外科のホームぺージのその
多くがいまだに
椎間板ヘルニアで神経圧迫が
原因と解説されていますが
随分前から違う説明がされた
本が出版されています。

出版社
メディカルトリビューン
「腰痛のナゼとナゾ」
治らないを考える
2011年8月15日第1版第1刷発行
著者:菊池臣一
P.24~25
下引用になります。

ヘルニアがあっても腰痛は治る?

海外の研究では、スイスからの報告に
画像診断を受けた健常者の76%に無症状の
椎間板ヘルニアがみられたという研究があります。

また、フィンランドの研究によると
腰痛経験者の約半数がMRIによる画像診断で椎間板に
変性がみられない正常の所見だったことがわかり
「腰痛と椎間板変性との間には関連性がない」と
結論づけています。

さらに米国からは20歳から80歳までの腰痛や脚の痛みを
経験した事がない人々の画像診断の結果21~36%に椎間板ヘルニアが
50~79%に椎間板膨隆(ついかんばんぼうりゅう=ふくらみ)が
34~93%に椎間板変性がみられと報告されるなど

従来のように「ヘルニアの存在=腰痛の原因」とする考え方を
否定する研究結果が相次いでいます。

最近はMRIの普及により椎間板ヘルニアの経過を追う事が
可能になりヘルニアは時間とともに自然と縮小・消失して
いく事が分かってきました。

ヘルニアが縮小・消失すれば腰痛も治まって
いくことも明らかになりました。

しかしヘルニアがなくならなければ症状が消失しないかというと
そうではない患者さんも多い事が明らかなのです。

つまりヘルニアがあっても腰痛は治るのです。

さらにヘルニアが縮小・消失して症状が軽快した
患者さんの時間経過を詳細に調べてみると
ヘルニア縮小・消失する以前に症状がよくなっていました。
つまり先の例のようにヘルニアがあっても腰痛はなくなるのです。

これらの証拠から「ヘルニア全員有罪説」は正しいとはいえないのです。
もちろんヘルニアが原因で腰痛を起こしている人は多数いますが
椎間板ヘルニアがあるからといって腰痛の原因とは直ちに
断定できないのです。

Amazonリンク先